リファレンスチェックは違法?違法になる行為3つのポイント
近年、転職者の比率が右肩上がりに伸びていると言われています。
その中の1つの理由として、採用後のミスマッチが原因ということもあり、それを回避するためのリファレンスチェックを行う企業も増えてきています。
しかし、リファレンスチェックはまだまだ主流なものではないため、リファレンスチェックをすること自体が違法になってしまわないのか?を心配する担当者の方もいらっしゃることでしょう。
今回は、リファレンスチェックは違法になるのか?どんな行為をしたら違法になるのか?を解説していきます。ぜひ、最後までご覧ください。
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックとは、転職希望者の勤務態度、能力、人間性を前職または現職に調査することを言います。
冒頭でもお伝えした通り、転職者や転職希望者は年々増えてきています。企業側としたら、社員が入れ替わり立ち替わりされることで、教育を含め色々なコストや労力がかかるので、できれば長く勤務してほしいところです。
〝入社したと思ったらすぐに転職希望を出される〟という事態を避けるために、採用前から企業側と転職希望者のマッチングをする必要があります。
しかし、履歴書などの書類と面接時の短時間の中では、なかなか聞きたいことが聞けなかったり、伝えたいことがうまく伝えきれなかったりと、スムーズに意思疎通をすることが難しかったりします。
それを防ぐために〝リファレンスチェック〟があります。
リファレンスチェックの内容
リファレンスチェックは、誰にどんなことを聞いていくのか?を詳しく見ていきましょう。
誰に調査を依頼するのか?というと、転職希望者の働きっぷりをよく知る人物です。例えば、前職、現職の上司や同僚、場合によっては取引先の担当者という場合もあります。
調査内容は以下の通りです。
- 学歴、職務経歴等に詐称記載がないか
- 人間性、性格、勤務態度
- スキル、能力
- 勤務中のトラブル等はないか
提出書類に詐称記載がないか確認するとともに、面談では確認しづらい部分を補填する役割があります。
リファレンスチェックを行うメリット
リファレンスチェックは、提出書類に詐称記載がないかの確認と採用のミスマッチを無くすためのものなので、企業側にとっては積極的に取り入れたいものです。
しかし、転職希望者にとってもメリットがあります。
書類に書ききれなかったことや面談や緊張してしまったりして〝自分らしさ〟を出すことが出来なかった場合、リファレンスチェックによって自分では気づかなかった良さを引き出してくれたり、アピールできたりすることも多くあるからです。
リファレンスチェックは違法になる?
リファレンスチェック自体は、違法性はありません。
ただ、少し間違った行動をしてしまうと違法行為に発展してしまうので、どのような行為をしたら違法になるのか?を解説していきます。
違法になる行為は以下の3点です。
✔︎同意なく実施した場合
✔︎個人情報の取り扱いを粗末にした場合
✔︎リファレンスチェックを理由に内定の取り消しを行った場合
順番に解説していきます。
✔︎リファレンスチェックを同意なく実施した場合
リファレンスチェックを実施する際には、転職希望者の同意が必要です。そして、リファレンスチェックを受ける側の企業側も守る必要があります。
同意を得ず実施した場合は、違法行為になります。また、採用担当者が転職希望者の情報を勝手に調べることも違法行為になります。
SNSや知人から転職希望者の情報を得ることは出来ないので注意しましょう。
✔︎個人情報の取り扱いを粗末にした場合
個人情報の取り扱い事業者が、本人の許可なく提供した場合も違法行為になります。個人情報という点においては、リファレンスチェックの質問内容にも気をつける必要があります。
転職希望者が差別になったり不利益となる質問は、禁止されているため、注意が必要です。
✔︎リファレンスチェックを理由に内定の取り消しを行った場合
採用内定後、リファレンスチェック内容を理由に内定の取り消しを行った場合、違法行為になります。
内定を出した時点で、労働雇用契約の成立が行われています。そのため、法律上合理的な理由がない限り、内定を出したあとには内定を取り消すということ自体が出来ないのです。
違法にならないリファレンスチェックを行うための3つのポイント
では、違法にならないリファレンスチェックを行うためにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?3つのポイントをご紹介します。
ポイント1、転職希望者の同意を得ること
ポイント2、転職希望者の個人情報の取り扱いに気をつける
ポイント3、リファレンスチェックは必ず内定前に実施する
ポイント1、転職希望者の同意を得ること
リファレンスチェックは、転職希望者の同意を得ることが先決です。同意を得ずして始めてしまうことは法に触れる行為になりますので、注意しましょう。
ポイント2、転職候補者の個人情報の取り扱いに気をつける
リファレンスチェックの同意を得ることができ、実際にリファレンスチェックを実施した際に得られた個人情報についての取り扱いに関しては、個人情報保護法で守られている権利です。
個人データの取り扱いには、十分気をつけましょう。
個人情報を安全に扱う体制が整っていない場合には、社内で共有し、個人情報が漏れることのない体制づくりを行う必要があります。
ポイント3、リファレンスチェックは必ず内定前に実施する
繰り返しになりますが、一旦内定をしてしまうと、よほどの理由がない限り内定を取り消すことができません。最終審査で迷った時の決定打にしておくと良いでしょう。
転職候補者が気をつける点
では、転職候補者が気をつけるべき点についてご紹介します。
- 拒否するときは相応の理由を添えて
- リファレンスチェックは信頼できる人へお願いする
- 詐称は絶対NG
拒否するときは相応の理由を添えて
リファレンスチェックを受けるかどうかの意思決定権は、転職候補者本人が持っています。ですので、リファレンスチェックを拒否することもできます。
しかし、拒否することで企業側にとっては〝何かやましいことでもあるんだろうか?〟とマイナスに写ってしまう可能性もあります。
もしも、リファレンスチェックを拒否する場合には相応の理由を添えると安心です。
リファレンスチェックは信頼できる人へお願いする
リファレンスチェックの依頼は、信頼できる人へお願いしましょう。リファレンスチェックを行う人は、前職の上司や同僚という場合がほとんどです。
関係性が悪かったり、あまりよく思われていない人に頼んでしまうと、余計な情報を与えられてしまう可能性もありますので、よく吟味したいところです。
詐称は絶対NG
兎にも角にも詐称は絶対にNGです。
採用されたいために詐称してしまうという心理が働いてしまうのだとは思いますが、詐称をすることで、信頼がなくなる可能性が高く、せっかく採用にたどり着きそうなのにすべて取り消しになってしまうということもあります。
真実だけを伝え、記載するようにしましょう。
まとめ
今回は、「リファレンスチェックは違法になるのか?違法になる行為」に加え、「リファレンスチェックする際に気をつける点と転職希望者について気をつけるべき点」をお伝えしてきました。リファレンスチェックをする際には、ぜひ今回の内容を参考に転職に有効活用してくださいね。
株式会社ニコイチ代表
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